2012年12月29日土曜日

冬期休暇のお知らせ

本日17時をもって今年の診療を終了しました。

来年は1月5日(土)から通常診療となります。

では皆さんも良い年末年始をお過ごし下さい。

来年も宜しくお願いします。

2012年12月24日月曜日

第8回 トイラン

第5回第6回に引き続き、今年もトイランに参加してきました。私はまたトナカイのコスプレです。

今年は本隊のパレードと別行動で、クリスマスプレゼントをバイクいっぱいに積んで某施設の子ども達に届ける部隊に参加しました。
 子ども達はムギューッすると喜んで、バイクに跨がらせるとニッコニコでした。 目の前で子ども達が喜ぶ顔を見ると、やり甲斐があります。 

その後は麻布十番に移動して子供達にお菓子のプレゼントを配り、ハーレーサンタクラブの啓蒙活動をしてきました。

街では当たり前の様に親子がクリスマスを楽しんでいますが、その影で親の愛情を受ける事が出来ない子供や諸事情によって親と離れて暮らさなければならない子供が居る事実が有る事を知って頂ければ幸いです。
 

2012年11月12日月曜日

第61回スマイル倶楽部定例会

昨日はスタディーグループ定例会だったので仙台へ行ってきました。

いつもは土曜〜日曜と2日で行くのですが、土曜に所用が有った為に日曜日のみ参加となり、朝4時半に仙台に向けてクルマで出発するという強行軍でしたが、講演内容にグイグイ引き込まれて全く眠くならず、アッと言う間の一日でした。


演者が東北大の菅野太郎先生で題目が「補綴のドグマ 」でした。今まで常識だと思い込んでいた治療法が実はエビデンス(論文の裏取り)が無い事だったり、逆にダメだと思ってる治療法が実は長期安定性に差が無かったりと、偉い先生の「これ良いよ!」「これダメだ!」の個人的見解がそのまま常識化してしまう危なさを感じました。やっぱり検証って大事なんですね。

大学院生時代には指導教官から論文の読み方を一応学び、結果ありきのペーパー、そのペーパーの裏付け内容が引用文献の原著と違う事(著者に都合が良い解釈)が有るからよく読め!と当時は散々言われていた訳ですが、最近は忙しいを言い訳に裏取りもせず演者の言葉を鵜呑みにするばかりだったので、ガツンとやられた気がしました。成書や雑誌、学会等で症例のケースレポートが出て来ると、なるほど!と思う事が多々有りますが、これはこの時点での事実を述べているだけで真実を突いているとは限らないんだ!と。せっかく大学に講師で行ってるのだから図書館にも行かなきゃ!(笑

その他も私の【常識】が打ちのめされたりも有りましたが、逆に自分が経験的に漠然と思っていた事の裏取りが取れて嬉しい事も有ったりと、内容的にお腹イッパイで消化するのに未だ時間が掛かりそうですが、非常に充実した一日でした。

2012年10月14日日曜日

BLS院内研修(その2)

7月20日のブログでお話ししたBLS院内研修を10月11日(木)に受講してきました。

今回はスタッフだけで無く有志の患者さんや患者さんのお友達にも参加して頂いたので合計15人で、9時から12時までの3時間講習でしたが、今回もあっと言う間の3時間でした。

スタッフは半年前にも受講しているのですが、声掛けから呼吸の確認・救急要請の流れやAEDの使い方を忘れてしまっていた人もおり、反復練習の必要性を強く感じました。

また来年の3月頃をメドに再度普通救命講習を行いたいを考えております。本音を言えば毎回25人〜30人で開催して、一人でも多くのバイスタンダーになってくれる方を増やしたいのです。終了後には普通救命講習の修了証が発行されますので、少しでも興味が有りましたら次の機会に恥ずかしがらず是非参加して下さい。知っておいて損は無い知識ですよ。

この普通救命講習は成人の救命に限った講習ですが、小児・乳児のCPR等更なる知識を深めたい方(普通救命講習修了者に限ります)が10人以上集まれば上級救急講習を開催することも可能です。ホントはこれも開催したいんですよ。成人と小児・乳児のCPR・AEDの方法は少し違いますからね。

最後になりましたが今回も市川市消防局救急課の方々には講義・実習と大変お世話になり、ありがとうございました。次回開催時も宜しくお願いします。

2012年9月23日日曜日

BLS講習の募集を締め切ります

7月20日のブログで募集した当院主催のBLS講習会ですが、開催まで2週間となりましたので、今週水曜日をもって募集を締め切り致します。人数に若干ですが余裕が有りますので、参加に迷っている方がいらっしゃいましたら是非参加して下さい。

日本はバイスタンダーとなってくれる方が欧米と比べて未だ未だ少なく、現場に居合わせた方が正しい心肺蘇生をしてくれれば、もっと救命率が上がるはずです。また故意または重大な過失がなければ処置による結果の責任を法的に問われる可能性は低いとする見解を総務省消防庁などがだしています。救命には傍観が一番まずいのです。1次救命処置は医療関係者だけが行う処置ではありません。

無料ですから、是非この機会に正しいCPRとAEDの使い方を知って頂きたいと考えています。

2012年9月2日日曜日

大規模災害訓練

今日は市川市における大規模災害時の検死訓練に歯科医師会の一員として参加しました。
 身元確認の照合には指紋・DNA判定等が有りますが、歯科の場合には亡くなった方の口の中の状態を事細かに観察・記録し、生前の歯科カルテと照らし合わせる事で身元判明に大きく役立ちます。

警察・消防・赤十字・医師会・歯科医師会等々の関係者が集まっての訓練でしたが、私達の場合には歯1本1本の治療跡の状態を事細かに記録していく必要が有るため、御遺体一人でも時間が掛かる事を実感しました。東日本大震災の実際の現場では多い時で毎日100人以上が運び込まれたとの事なので、検死作業の大変さを感じ取ったと同時に歯科医師のみならず関係者の肉体的・精神的な強さを感じました。

首都直下の災害が起きると事有る毎にマスコミでも報道されていますが、もしもの時の準備は絶対に必要です。少しでも検死作業が少なくなる(死なない)体制を調えておく必要が有りますね。
 

2012年8月20日月曜日

南相馬市の夏祭り

昨日は私が応援しているNPO法人 MAX MUSIC FACTORYが主催するイベントで、南相馬市鹿島小学校でのお祭りのお手伝いをしてきました。
午前中から南相馬市入りして設営準備したり交通整理・雑用をしてましたが、私自身もこのイベントを楽しんでいたので良い夏休みになりました。南相馬市も未だ様々な課題が山積みですが、未来に向かって少しずつ前進してくれていると信じています。個人的には南相馬市と縁はありませんが現状を知ってしまった以上、微力ですがこの藤原さん主宰のNPO法人を通して継続的に支援していきたいと考えています。

2012年8月11日土曜日

夏期休診のお知らせ

8月12日(日)〜8月17日(金)までを夏期休診期間とさせて頂きます。

18日(土)から通常診療となりますが、

19日(日)の南相馬市支援活動に参加するため

20日(月)午前(9:00〜12:00)は臨時休診となります。

皆様にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承の程宜しくお願い申し上げます。

2012年7月20日金曜日

BLS講習の参加者を募集します

BLS(Basic Life Support 一次救命処置)の講習は一度受講したら完璧という事は無く、いざその場に出くわすとパニックになってアタマの中が真っ白になる事が多いので、アタマでは無くカラダに憶えさせるためには何度も反復練習をする必要が有ります。

ですので、3月8日(木)のBLS院内研修のブログの最後に少し書いた様に、スタッフ向けに半年毎の講習を行う事を考えておりますが、前回の開催時に人数の余裕が有る事が判りましたので、今回から一般の方々にも門戸を広げたいと思います。

  • 日時:10月11日(木) 午前9時〜12時(3時間)
  • 場所:市川市消防局5F(コルトン近くの消防署です)
  • 費用:無料
  • 内容:正しい心肺蘇生の方法とAEDの使用方法、窒息の解除法
  • 定員:約10名
  • 服装:動きやすい服装(ヒールやスカートは不可)
  • 備考:出来れば事前にポケットマスクを御用意下さい(2000円前後で購入可能です。無ければ結構です)。また今回は消防局の特別なご配慮で消防署の5階会場を使用させて頂ける事になりましたので場所は判りやすいと思いますが、駐車場はありませんのでクルマでの参加は御遠慮下さい。

参加御希望の方はお電話、若しくは当院スタッフへお声掛け下さい。

なお参加するにあたり当院の患者さんであるかは問いません。やる気がある方なら何方でも参加可能です。しかし参加者リストを消防局へ提出する関係上、申し込み後のキャンセルはお控え下さいますようお願い致します。
 

2012年7月19日木曜日

アストラテック・インプラント

今までアンキロスとプラトンのインプラントを用いてインプラント治療を行ってきましたが、今回アストラテックも導入致しました。このインプラントは今までの当院のラインナップには無かった、長さが6mmの短いタイプと直径が3mmの細いタイプがラインナップに入っている事が導入の決め手になりました。その他に私のインプラントメーカーの選択基準として、フィクスチャーがフルブラストである事・フィクスチャーとアバットメントの結合様式がテーパーである事が外せないのですが、アストラテックも同様の構造になっています。

直径3mmのインプラントだと隣の歯との間隔が狭くても余裕を持って埋入出来る事、そして長さが6mmのタイプは垂直的な骨造成が必要と思われるケースでも追加手術をせずに埋入出来る可能性が広がった事が大きいんですね。 他には今回のモデルチェンジでフィクスチャーの表面にフッ酸処理が加わった事で骨とのインテグレーションが速まった事が上げられますが、正直な私の感想としては「やっと他社に追いついてきた」感が強く、あまり印象には残りません。(アストラさん申し訳無いです…)

これからも情報収集のアンテナは広げていきますが、メーカーの眉唾の売り文句もありますので、自分の中で情報を取捨選択しながら本当に患者さんに有用な知識や術式、知識を還元していきたいと考えています。

2012年7月9日月曜日

前半期の大学出張

今日で私が担当する前期の解剖実習が終わりました。後期実習は10月から金曜日で始まります。患者さんには臨時休診が度々あり不都合をお掛けしておりますが、これからも宜しくお願いします。

解剖実習はお金を出して買える教材で実習を行うのでは無く、献体者の方々の生前の尊い御意志によって成り立っています。私は解剖学に係わってから20年近く経ちますが、解剖学と臨床を上手くリンクする事で新たな感動が有ったり、と飽きる事が有りません。解剖というと一般の方々には怖いとか気持ち悪いのイメージが有ると思いますが、私は死で深く学んだ事は必ず生(患者さん)に還元出来ると思っています。なので献体者の方は亡くなっていますが、知識として私の中で生き続けていると考えています。

献体者の方々には本当に感謝しており、実習の始めと終わりには礼を必ず行っております。

2012年6月15日金曜日

歯の銀行

歯牙移植の講演会歯を失う時に思い出して欲しい話当院のHPで書いたように、当院では歯牙移植や歯牙再植を積極的に行っています。

インプラントが人工歯根ならば移植歯・再植歯は天然歯根と言い換える事が出来ます。インプラントは工業製品で有り、γ線で滅菌されたアンプルの中に入っているので滅菌有効期限内で有れば保存・保管が出来ますが、移植歯は天然物で有るが故に一般的なデメリットとして保存が利かないんですね。時々抜歯してから数ヶ月〜数年経った親知らずを持って「この歯を移植に使って下さい」と来院される方が居るのですが、移植歯は根っこの回りに歯根膜細胞が新鮮な状態で残っている事が条件なので、根っこが乾燥しているとこの細胞が死んでしまっているために使えないんです。(同じ理由で根っこをグリグリして抜いた歯も使えない事が多いのです。この場合には歯根膜保存の為に根っこをグリグリせずに骨を砕いて抜歯します)

ところが逆に言えば、抜いた歯の歯根膜細胞が生きた状態で保存する事が出来るのであれば、 抜歯直後で無くても移植歯として利用が出来る事になりますね。これを可能にしているのが凍結保存の技術なんです。当院では再生医療研究所と提携しており、患者さんの希望があれば矯正治療時の抜歯や親知らずの抜歯の時に、歯を保存しております。

歯を半永久的に保存しておくメリットとして、移植の他には
  • 事件や事故、災害時においてDNA鑑定による個人特定が容易になる
  • 歯の幹細胞を活用して将来病気の治療に役立つ可能性がある(幹細胞は様々な臓器や器官に分化出来る事が判っています)
費用ですが、保管料が1歯につき88,000円/10年、延長保管料が30,000円/10年となります。複数本の場合には割引制度があります。(因みに私自身は斡旋しているだけで再生医療研究所と金銭の授受はありません)

また別途に撮影料(10,500円)が掛かりますが、CT撮影を抜歯直前に行っておけば将来保存した歯を用いて移植を行う際に、事前に歯の大きさや歯根の形が把握出来ているので、現物会わせで歯牙移植の治療を行う事が少なくなります。

これから再生医療の分野は進化が加速していくと思いますが、この技術が臨床に下りてきた場合に幹細胞が豊富な歯があると非常に有望だと思います。根未完成歯ならば更に有利ですね。こうなると保存した歯から神経や骨に分化させる事も可能になるかも知れないので、将来が楽しみな技術なんです。

2012年6月14日木曜日

食事会

今日は当院スタッフ全員で浦安のホテルに行き、前半期慰労の食事会をしました。
毎度の事ながら私以外は全員女性なので、女子会の運転手みたいになってます(笑

シフトの関係で院内研修と慰労会以外に会えないスタッフ同士も居るので、
当院にとって必要で大事な行事なんですね 。
全員主婦なので話の輪に入れない事が多々有りますが(笑、
食べて飲んで笑って…とストレス発散してくれれば、
明日からまた頑張ってくれる事でしょう。

当院はスタッフに恵まれていて長期に勤めてくれる方も多く、
また全員が明るい人達なので、本当に助かってます。

2012年5月29日火曜日

歯牙移植の講演会

日曜日に野田市歯科医師会主催の研修会に出席しました。、演者が歯牙移植で草分けの下地勲先生で、演題が「自家歯牙移植とインプラントの使い分け」だったので、「これは行かねばっ!」と思い、かなり前からこの日を楽しみにしていました。

内容は歯牙移植だけにとどまらず、ルートエクストルージョン(歯肉の下まで虫歯になった歯の根っこを引っ張り出す治療)や外科的挺出(一度歯を抜いて元の状態より引っ張り出した状態で再植する治療)の話も出て、個人的には楽しい時間でした。下地先生の「安易にインプラントに頼らず、もっと歯の保存に努めるべき」の発言には私の日常診療の気持ちを代弁してくれた様で嬉しかったですね。私自身も「歯を失う時に思い出して欲しい話」当院のHPでも書いている様に歯牙移植やルートエクストルージョンを積極的に取り入れているので、他院で「インプラントしか治療法が無い」と言われた患者さんに歯牙移植や歯牙挺出術を行った事は何度も有ります。

確かに同一形態の工業製品であり術式が規格化・簡素化されているインプラントと、同じ形のモノが一つも無い歯牙移植では、術前のシュミレーション通りに事が進まずオペ中に計画変更の判断をせねばならない事が有ったり、レシピエントサイト(移植歯を埋める場所)にインプラント床以上の骨穴を開けねばならなかったり、とインプラントのオペより難しい一面が有るにも係わらず、保険治療の範囲で行う歯牙移植は保険点数が低く抑えられている為に正直な話では実入りが少ないなど、開業医には手を出しにくい面が有るのも理解出来ます。また保険適応外の歯牙移植でもインプラントのオペより数倍難しいのに収入は数分の1しか入らず、経営面から泣きたくなる事は多々有ります(笑)。しかしインプラントには無くて移植歯には有る歯根膜が咬む力をコントロールしたり炎症の波及に対する防御反応が強い等々、インプラントに勝る数々の利点をもたらしてくれるので患者さんにはメリットが多いと思います。但しドナー(移植歯)が無かったりレシピエントサイトにドナーを受け入れる環境になっていない時には歯牙移植は出来ませんから、しっかり食べ物を噛みたいと言う患者さんにはインプラントがセカンドチョイスになりますね。

余談ですが、この研修会の翌日に歯牙移植のオペがあり「やっぱり、これ良いわ!」と思いながら手を動かしてました。難しいオペだったので時間が掛かってしまい患者さんも大変でしたが、色んな歯医者で歯牙移植を断られてウチに辿り着いた患者さんだったので、数ヶ月後に笑顔を見せてくれると歯医者冥利に尽きるんですけどね(笑

2012年5月23日水曜日

清潔と不潔・滅菌と消毒(その3)

清潔と不潔・滅菌と消毒(その1)(その2)の続きです。(その1からお読み下さい)


その1でヒトの皮膚や口腔粘膜を滅菌する事は出来ないと書きましたが、じゃあ何もしなくて良いのか?と言うとそんな事は無く、術野やオペレータ・滅菌アシの手は菌が存在しても弱らせて感染能力を有しない状態にする、消毒の必要が有るんですね。幾ら器具を滅菌してドレーピングをして清潔になりました!と言っても、肝心の手術部位に活発な悪玉菌が存在していたらアッと言う間にそこら中が不潔野になって、切開した場所に悪玉菌を塗り込んでいる事と同じなのは、ここまで読んでくれた方には判って貰えると思います。なのでウチで手術を受けた患者さんは経験していますが、少しピリピリした水でうがいをして、また鼻からアゴ下までと口の中を拭いたと思います。その水の正体は強酸性水と言って、ヒトには無害だけれど殆どの微生物を死滅させる事が出来る水なんですね。但し芽胞は殺せないので消毒なんです。

そしてインプラントの埋入オペの前に私と西浦さんが手から肘まで手洗いをして、その後もう一人のアシスタントに手術着を着せて貰っているのを見た事が有る患者さんも居ると思いますが、これは手は消毒されただけで滅菌されておらず、また肘〜手以外の部位は消毒もされていない為に直接手術着の表側を触る事が出来ず、外側を触らないように注意しながら着せて貰っているんですね。その他にも滅菌グローブの填め方やドレープを掛ける順番など、それぞれに決められたルールが有ります。それらを達成して清潔域が確保されてからやっと手術スタートとなる訳です。

しかし一般歯科治療では消毒レベルで問題無い為にここまでやりませんが、普段はセイケツ域とフケツ域を区別して治療を行っています。消毒された不潔は良いとしても他人の唾液や血液が付着したフケツな環境下での治療は院内感染の点から大いに問題が有りますからね。だからグローブ、紙コップの使い捨て、タービン・コントラの患者さん毎の滅菌等々が必要なんです。

グローブの使い回しなどテキトーな衛生概念で行動している人が、いざ手術だ!となった時にアタマとカラダが反応出来ると私には思えないので、普段から清潔・不潔の概念を考慮しながら行動する必要が有ります。少なくとも私のオペ現場ではオペの内容そのものに集中したいので清潔・不潔に気を取られたくない。だからアタマで考えなくてもカラダが反応出来る様にしておきたいのです。人が倒れたら即座に正確なCPRと正しいAEDの使用が出来る様に何度も反復練習するのと同じです。

ここまで読んでくれれば誰だって、下がった靴下を持ち上げたグローブで自分の口の中を弄って欲しくないですよね? また床に落ちたモノを拾った手で治療続行して欲しくないですよね? 何故ならその手は消毒されていないからです。なので足グセで書いた様に、当院では落とした人が拾わない!と言うルールが有るんです。

長文になりましたが、清潔域と不潔域、また当院の滅菌と消毒の取り組み方について御理解してもらえれば幸いです。

清潔と不潔・滅菌と消毒(その2)

清潔と不潔・滅菌と消毒(その1)の続きです。(その1からお読み下さい)


例えば手術野の清潔域を広げる為に滅菌された布(ドレープ)を患者さんの顔と身体に被せますが、患者さんの身体は滅菌されていないので、掛けた瞬間に布の患者さん側(内側)は不潔になります。またオペレータや滅菌アシがオペ着や滅菌グローブをしていても、手や腕・身体が清潔野以外に触れたらその瞬間に不潔なので、グローブ交換若しくはオペ着交換となります。
滅菌された状態を保つ事が出来る滅菌パック↓↓↓
 も外側は不潔域ですから、取り出す時には外回りアシ(不潔域アシスト)が中には絶対に触れないようにしながら滅菌グローブを填めたオペレータや滅菌アシに取って貰うか、若しくはサイドテーブルの上に敷いたドレープに触れないよう注意しながらテーブルへ落とします。初心者にありがちなミスで、外回りアシが滅菌パックから器具を落とす際にパックにばかり気を取られて腰部分でドレープに触れちゃう事があり、もうその部分は不潔と見なして、以後オペレータと滅菌アシはその部分に触れないようにするんです。

余談ですが、滅菌パックは見た目だけでは滅菌済みなのか未滅菌なのか判断出来ない為にインジケータが必ず有ります。下の写真は未滅菌のパックを撮影したものですが
オートクレーブ等を使用して滅菌が終了すると下の写真のように矢印の色が変化します。
当院では有り得ない事ですが、パックの中身を大事に取り出す仕草をしてもパックの色が変化していなければ、そこには清潔・不潔の概念が存在せず、その行為はただのパフォーマンスと言う事になりますね。

更に余談ですが、顔を無意識に触ってしまう人が滅菌アシに付くと、滅菌グローブを填めた手で帽子を触ったりメガネやマスクのズレ直しをしてしまい、今度はその手で清潔域を触ってドンドン不潔域が拡大していくのでバイ菌扱いされ、その癖が直らない限りオペ室の出入り禁止令が出る事が有ります(笑)


話を戻して、ドレープを顔に掛けた後に患者さんが鼻や口の周りをホジホジやポリポリすると、そのドレープは不潔になり、「ドレープが不潔になったから交換!」と言われた患者さんが「俺ってバイ菌扱い?」と不愉快な気持ちを持たれたとしても、それは「不潔」になっただけで「フケツ」になった訳じゃないんです。逆に入れ歯の修理等でガーゼを使う事が有りますが、それは滅菌された清潔なモノで有る必要は無いので(当然消毒はされています)、「滅菌が終了していないガーゼ持って来て!」を、思わず「不潔ので良いからガーゼ持って来て!」と言ってしまい、患者さんにギョッとされる事も有る訳です。

その3に続きます。

清潔と不潔・滅菌と消毒(その1)

2011年10月29日のブログの"足グセ"前回の"無影灯(オペライト)"で清潔と不潔について少し書きましたが、医療関係における「清潔・不潔」と一般生活における「セイケツ・フケツ」(あえてカタカナ書きにします)の概念は意味合いが違うんですね。では何故こんな概念が必要なの?と言うと、ヒトは様々な微生物と共存している事と関係しているんです。

微生物にも大きく分けると2種類あって、ヒトに害を与えない非病原性微生物(以下善玉菌と呼びます)と、害を与える(病気の元になる)病原性微生物(同悪玉菌)です。そしてヒトの皮膚や口腔粘膜には善玉菌である多くの常在菌が存在し共生しています。微生物=悪者と思いがちですが、善玉菌がいる事でパンデミック(感染症が世界規模で流行する事)を防いでいる一面もあるので、悪者とは一概には言えないのです。(ヒトの抵抗力が低下すると日和見感染(ひよりみかんせん)する事もあるので善玉菌=善玉ばかりとは言えないのですが…) なので医学的にはヒトの皮膚や口腔粘膜には数多くの善玉菌と極少数の悪玉菌が居ると言う前提が有り、これはどんなに丁寧に何度も手洗いしても毛穴の中にもイッパイ居るので、生き物の表面から微生物の数をゼロにする事は出来ないのです。(この無菌に出来ない話の続きは後ほど…)

ところが我々には微生物は見えませんし、もし見えたとしてもそれが善玉菌なのか悪玉菌なのか瞬時に判断出来ませんよね。だから悪玉菌の進入を防ぐバリヤーの役割を果たしている皮膚や歯肉を切開する手術では、生き物(患者さん)の表面以外の、器具やグローブその他一切のモノから善玉・悪玉の両方を引っくるめて微生物が一切居ない環境を整える必要があるのです。この状態にする事を滅菌と言います。そして滅菌されて微生物が存在していないエリアを清潔(清潔野・清潔域)と言います。逆に清潔じゃ無い状態全てを不潔(不潔野・不潔域)と言い、清潔域でも菌が一匹でも付着した、若しくは菌が付く行為をしたら不潔になったとみなすのです。

なので清潔・不潔のルールは
  • 清潔なモノ同士が触れても滅菌されたモノ同士なので清潔なまま
  • 清潔なモノが不潔なモノに触れた瞬間に菌が付着した、とみなして不潔とする
となります。これは概念ですから実際に菌が付着してしまったのか?は問われず、不確定行為をしたら不潔となります。その行為が怪しければ不潔とするという事ですね。

因みに、消毒薬を使って手を洗ったり手術野を刷掃する事でヒトに害を与える悪玉菌の数を減らし、また感染させるだけの能力を奪い取る事を消毒と言って、これには菌の存在は否定されません。一般生活ではこの状態を「セイケツ」と呼ぶ事が多いですが、「清潔」では無いのです。

長くなってきたので、その2に続きます。

2012年5月20日日曜日

無影灯(オペライト)

治療時に於いて処置部位を明るく照らす器具が無ければ患部をしっかり診る事が出来ませんが、単に明るく照らす事が出来れば良いという訳では無く、狭い口腔内を見る時には影の存在が邪魔になります。

デンタルミラーとピンセットのような細くて小さい器具だとそれらによる影も小さいので治療の邪魔にならないのですが、患者さんの口の中に直接手を入れる処置になると私の手に因って出来た影が治療の邪魔になる訳です。

そこで当院では口腔外科領域の親知らず抜歯やインプラント埋入手術等の時にはオペライトを使用しています。

こちらがユニットに備え付けの無影灯(名前だけで影が出来まくりなんですが・笑)です。こちらはよく見るライトですね。


比較の為にテーブルに置いた紙コップをほぼ同位置から照らしてみます。
(影が出来やすい様にあえて斜め上方から照らしてます)
こちらがユニットの無影灯で

こちらがオペライトです
影の大きさが全然違う事が判って頂けると思います。これは対象物を様々な方向から照らす事で影を打ち消し合う原理を利用しています。と言う事は直径が小さく灯数が少ないオペライトでは影を消す能力が弱い事になりますね。ですので機種選定には製造元に直接足を運んで直径60cmの6灯式を選択しました。これは44cmの3灯だと照度の点では充分だったのですが無影性を重視したい私には満足出来る無影が得られなかったのと、80cmでは大きすぎて片手で動かせなかった事に因ります。また1灯のユニットの無影灯と6灯のオペライトでは明るさが全く違うので処置時の目の疲れが違います。

その他に影が出来ない照明としてはマイクロスコープとルーペに装着しているライトが有り、こちらは瞳孔間に照明が有る事で影は全く出来ませんが、視野が限られる為に(拡大治療の宿命です)大きな視野で処置をしたい場合には使えません。しかし限られた範囲の歯周外科や歯根端切除術などは目を大きく動かす事も無いので、細かい所が大きく見える利点も相まって、こちらを使用する事が多いです。

余談ですが、オペライトは手術時に使用する事を想定したライトなので、上記の写真には写っていませんが、真ん中に滅菌可能なハンドルをワンタッチで脱着出来る様になっており、清潔域の人間が安心してライトの位置を調整出来るようになっています。リフォーム前はユニットの無影灯でオペを行っていましたが、グリップが滅菌出来ないので滅菌したアルミホイルを巻かない限りオペレータや滅菌アシは直接触る事が出来ません。影が出来やすい上に清潔域の確保が不安定なアルミホイルなので、オペレータや滅菌アシがしょっちゅう触る割りにはアルミホイルが破けてグローブが不潔域になり、術中にグローブ交換…の無駄な時間と集中力が途切れるのがストレスだったので、改装時には絶対に欲しい器具の一つでした。(清潔・不潔の概念の詳細についてはこちらもご覧下さい

しかし、これを取り付けるには壁か天井に補強工事が必要になります。当院ではリフォーム時にこのライトの為だけに梁を1本増やしました。何も考えずに取り付けると多分天井が抜けます。スタンドタイプもありますが使い勝手が悪いので、天井を剥がす工事を行ってでも備え付けの方が便利です。

2012年5月11日金曜日

ヒアルロン酸ミニ講習会

昨日はヒアルロン酸の輸入元の方に来院して頂き、ミニレクチャーを行いました。

元々は私が法令線を薄くする等のアンチエイジングや歯肉の形態修正の為にヒアルロン酸注入をしていると矯正治療をお願いしている尾崎先生に話したら「詳しく知りたい!」と言うことになり、どうせなら聞きかじりの半端な知識では無くしっかりとした知識を持って貰うためにも営業マンを呼んで「ヒアルロン酸って何ぞや?」のところからプレゼンをしてもらい、また折角なので他の先生も招いて開催しようと言う事になり、仲良くしている市川市の先生にも声を掛けてのミニ講習会となりました。

最初の1時間にパワーポイントを使ってのプレゼンをして貰い、その後にDVDによる注入方法の動画視聴、最後に私が講師役となり当院在庫のヒアルロン酸を使って同席してくれた某先生の奥様で注入実習を行いました。

歯科医師であれば日常的に歯肉への麻酔注射を行っているので注入する事自体は難しくないと思うのですが、皮膚から浅過ぎる部位に注入するとミミズ腫れの様になり逆に深過ぎると注入したのに変化が殆ど無くなるため、以外にテクニックを要する手技だと思います。また架橋してあるヒアルロン酸はジェル状になっており、皮下に均一の厚みで注入するのが慣れるまで難しいんですね。

まぁ、私にヒアルロン酸注入で一蔵建てようという気持ちが更々無いので(笑)、細々とやってますが、 興味を持たれた患者さんが居らしたら私かスタッフに声を掛けて下さい。費用は1mlのカートリッジ1本で4万円(税抜き・注入手技料込み)頂いております。法令線を浅くする場合には片側で0.5ml〜1mlくらい使用しますので両側で1〜2本使用します。また効果は6ヶ月〜12ヶ月ほど持続します。

2012年5月4日金曜日

AEDを設置しました

3月に行ったBLS院内研修を行った際に成人用ポケットマスクはスタッフ全員に配っているのですが、院長の私がAHA-BLSインストラクターを目指している事、そして医療機関であるのに院内にAEDが無いのは不備であろう、との思いからAEDも設置致しました。
私が知る限りでは当院から徒歩2分圏内にAEDが設置されていない事も設置の理由です。これは当院で心肺停止の方が出た場合、AED到着まで4分以上掛かる事を意味します。心肺停止から1分以内にCPR及びAEDを行えば救命率は90%ですが、5分で50%にまで低下するとのデータがありますので、1分でも早く除細動を解除する必要が有るんですね。

他にも当院には成人用ポケットマスクの他に乳幼児用ポケットマスク、バックバルブマスクも設置してありますので、
 ご近所で心肺停止の方が出た場合には一秒でも早くお知らせ下さい。その際には119番通報もお忘れ無く!

スタディグループ定例会

4月21日〜22日にインプラントのスタディグループの定例会に行って来ました。
今回は川崎市で開業されている大塚隆先生をお招きしての勉強会でした。


大塚先生の長期症例のスライドを多数見せて頂き、
一時的な美しさも大事ですが長期安定性がベースに無ければ意味が無いと
常々考えている私には実の有る勉強会でした。

患者さんの立場からすると10年、20年と使える事が大事な事で
最後のスライドで出てきた、
「何をしたか」ではなく「何故そうなったか」を考える事が重要である
の言葉に考えさせられました。

大塚先生、ありがとうございました。

2012年4月26日木曜日

解剖実習

5月から7月まで今年度の前期解剖学実習の私の担当が始まりますので、

不定期に月曜日の午後が臨時休診になります。

詳しい休診日や振替診療日は右の公式HPのカレンダーをご覧下さい。

今年も皆さんにはご不便をお掛け致しますが、宜しくお願い致します。


2012年4月11日水曜日

Wi-Fiスポット

当院では去年の7月からSoftBankのWi-Fiアクセスポイントが設置されており、SoftBankユーザーの患者さんには快適なネット環境になっていたと思いますが、今日からauのWi-Fiアクセスポイントも設置しました。これによりauのスマートフォンユーザーの患者さんにもSoftBankと同じ様な公衆無線LANのネット環境を提供する事になり、待ち時間の暇潰しに一役買ってくれるのでは?と思っています。

しかし私自身が昔ながらの折りたたみ携帯電話を使い続けていてスマートフォンユーザーでは無いので、どれくらい快適になったのか?を実感出来ません(笑。殆どの時間を診療室で過ごしているのでMacBook Proが活躍していて、モバイル端末の必要性を感じないんですね。

auユーザーの患者さんでこれを読んでくれたら、どれくらい速くなったか教えて下さい。

2012年3月23日金曜日

純水精製装置(DACのランニングコスト)

今では有ったら便利な機器を通り越して、無いと困る機器となったDACユニバーサルですが、使用する水が3μS/cm以上の純水を要求する為にランニングコストが以外と掛かる事がデメリットです。当初は浄水&軟水装置を設置してあるので蛇口の水がそのまま使えるかも?と思っていましたが、購入前に販売元が持って来たデモ機でテストすると水質不良でエラーになってしまった為に、DACを設置してからは精製水を購入していました。3μS/cmと言ったら工業用部品の洗浄に使われるくらいの純水なので、正直たかが滅菌器でこんな水質を要求するのか!と驚きましたが、DACが毎回電気伝導率をチェックしている為に精製水を使用しないとエラーコードが出て作動しません。

しかし精製水の購入コストが20リットルで約2000円と結構なお値段で、それを当院では1ヶ月に40リットル以上消費するので年間コストが単純計算で約5万円。これはDACの為だけに使用する水のランニングコストで、全館浄水&軟水システムのランニングコストよりも高く、これを使い続けるのはおサイフに厳しい…。販売元でもこれを解消するためにシロデム(SIRODEM)という脱塩水精製装置が販売されており、メーカーの謳い文句は『精製水の購入と比較し最大で約80%のコスト節減が可能』との事。しかしシロナさんには申し訳無いのですが、シロデム購入時のイニシャルコストと、425リットルの水道水を精製する毎に交換するフィルターのコストが私には未だ高価に感じており、もっとイニシャル&ランニングコストを下げられないか?と考え、浄水器&軟水器の販売&メンテで御世話になっている千葉県市原市のアクアフィールド石出裕一郎さんに協力して頂く事になりました。

当初は逆浸透膜を用いたRO精製装置を設置予定でしたが、これで精製した水でもDACにエラーが出てしまうため、シロデムと同じ原理のイオン交換樹脂を用いた方法へ変更しました。既に当院では軟水化装置を使用していたのでカルシウムイオン・マグネシウムイオンは除去出来ているのですが代わりにナトリウムイオンが出てくる為、これを除去するタイプのイオン交換樹脂に塩素を完全に取り除くフィルターを噛ませて精製した水でテストすると、やっと正常にDACが動きました。石出さんもRO精製装置でエラーが出た事でアタマを抱えた様ですが、数あるイオン交換樹脂の中からどのタイプの樹脂が今回要求する水に精製できるのか?等々を色々と調べてくれたお陰で、かなりイニシャルコストとランニングコストを下げる事に成功しました。

装置もシンク下に設置した事で外見的にゴチャゴチャする事無くスマートに設置できて大満足でした。後はどれ位の水量を精製できるのか?ですが、今回は樹脂を2Lとそれなりの量を使用したので数百リットルで樹脂交換とはならない筈との事でした。

DACユニバーサルを既に使用している先生やこれから導入する先生でランニングコスト低減を考えているなら、アクアフィールドさんへ相談されたら如何でしょうか? 私が実験台になったので(笑、回り道せずに良い提案をしてくれると思います。

2012年3月22日木曜日

水質検査

当院では水道局の水道メーター直後に浄水器&軟水器を設置しており、家中の水が浄化されている全館浄水システムを導入しています。ですので手洗い・うがいの水は勿論の事、洗濯機やトイレの水・裏のお風呂まで、全て通年で塩素濃度が0.2ppm以下でカルシウム・マグネシウムイオンを取り除いた浄水&軟水を使用してます。

しかし治療用ユニットの中の水は治療終了後は次の稼働日まで停滞する事とスリーウエイシリンジの水は停止時に少量の水が逆流する事が知られており、それらによる水質汚染の可能性を指摘されていました。塩素濃度が低いという事は身体に優しい水になっていると言えますが、雑菌が繁殖しやすい環境になっているとも言えます。

そこで当院の水は本当に安全な水と言えるのか?を知りたくて、ユニットから出てくる水を公的機関である(財)千葉県薬剤師会検査センターへ水質調査依頼しました。

 結果は一般細菌が0個/ml・大腸菌は陰性の結果で、その他の検査項目も基準値を下回っており、”水道法に基づく水質基準に適合”した水でした。今回は治療終了後にスリーウエイシリンジのチップを交換せず翌日の治療が始まる直前の水を採取したので普段より厳しい条件での検査でしたが問題はありませんでした。個人的にはこの結果が出てホッとしています(笑

話は変わりますが、当院ではスリーウエイシリンジのチップは患者さん毎に滅菌済みのチップへ交換し、またタービンやコントラ等のハンドピースもDACユニバーサルで内部まで滅菌されたモノを使用しています。元々ハンドピースには水や空気の逆流(サックバック)対策がされていますが、サックバック対策が常に完璧であるとは私は思えない事とスリーウエイシリンジに逆流対策されたモノは少ないため、患者さんの口腔内に入る機材は全て滅菌済のモノへ交換すべき、と考えています。ミラーやピンセット等の基本セットだけが口の中に入る訳では有りませんから…。

2012年3月8日木曜日

BLS院内研修

スタッフにも医療従事者として1次救命処置は出来て欲しい…との思いで(院内でCPRが必要になった時に私一人だけだと体力的にきついのもありますが…)、今日は市川消防署の方を招いてCPR・窒息等の研修会となりました。

院内で開催するには場所が狭すぎるため南八幡3丁目自治会館をお借りして、またウチのスタッフ人数だけでは講習会開催の最少催行人数に届かないので、普段から仲良くさせて貰っている西方歯科医院の院長先生とスタッフにも参加して頂きました。

消防署からは3人来て頂き、最初はプロジェクターを用いて座学で胸骨圧迫を学んでその後4人・4人・3人のグループに分かれて実技、次に人工呼吸の座学と実技…、の順で一つ一つを確実に学んで貰うプログラムで進んだので、判りやすい内容でした。朝9時から始まり全体で3時間の講習でしたが、あっと言う間に時間が過ぎてしまうほど充実した時間を過ごせました。

しかしこれだけ学んでも普段使う事が無ければ忘れてしまいます。これからは定期的に開催したいと考えていますが、会場のスペースに余裕が有る事が判ったので、次回からは希望する一般の方々にも参加出来るようにしたいと思っています。次回は8月〜9月頃を考えていますが、日時や募集人数等の詳細は7月頃にこのブログへ書き込み致します。

2012年3月5日月曜日

BLSにアシスタントで参加しました

昨日は麻布赤坂歯科医師会で行われたBLS HCPコースにアシスタントとして参加しました。

1月29日に千葉県歯科医師会で行われた際には受講者でしたが、今回はスタッフ側として参加しました。私はインストラクターではないので受講者に声を掛けたり受講者の質問に答える事が禁じられており、一歩下がった位置で実習を見ていましたが、受講とは違う視線で見学して、教える事の難しさを感じました。

また受講者が筆記試験を受けている時間に、インストラクターの先生から受講した状況より更に困った状況での対処についての実技テストをして頂き、とっさにその状況になるとアタマが真っ白になる事も経験しました。アタマの中で文字としては優先順位が入っていても、突然その状況が設定されると想定外の状況で「え”っ!」となってしまうんですね。なので色々考えられる状況においても、その都度最適な行動が取れる様に訓練が必要なんだと感じました。

今週はその他にも、木曜日に院内研修のために消防署員の方に来て頂いてのスタッフ向けBLSベーシック研修、土曜日に市川歯科医師会でBLSコース、とBLS漬けです。

2012年2月27日月曜日

DACユニバーサル

皆さんは外食へ行った際に洗っていないお箸が出てきたらどう思われますか? え"っ!と思うのが普通でしょう。口の中に入るものですから洗浄するのが当たり前だと思うのです。

しかし我々の業界で使われているタービンやコントラアングル等のハンドピースを患者さん毎に滅菌している歯科医院は、ある統計では15%以下という数値でした。アルコール綿で刷掃しているから大丈夫、と言われている先生は外食時において店員さんに使用済みのお箸を出されて、アルコールで拭いてあるから大丈夫!と言われて納得されるのでしょうか? 私は絶対に嫌です。ましてや治療後のハンドピースには唾液や削りカス・血液等が付着しているので、その汚染度はお箸の比じゃ有りません。

なので当院ではオートクレーブでハンドピースの滅菌を行っていたのですが、これだと患者さんの回転が早くなると滅菌が追いつかなくなって治療に不自由が出たり…と言う事が有りました。現在20本強のハンドピースの本数を更に増やして滅菌サイクルに余裕を持たせる事も考えたのですが、内部洗浄の問題も有り、シロナのDACユニバーサルというタービンやコントラアングル、小器具専用のオートクレーブを導入しました。

この機器の良い所は滅菌時間が驚きの12分という短さで、これだと当院のハンドピースの本数でも滅菌サイクルに余裕が出るほどです。そして外側だけで無く内部の洗浄と滅菌も同時に行ってくれるので、更に安全な治療を提供出来る事にもなります。また12分の滅菌タイムは外科手術中に器具を床に落とした等々の、急に再滅菌の必要性が出た場合でもロスタイムが今までより非常に少なく済むメリットも生んでくれています。

これ以外でも私は患者さん毎のグローブや紙コップ、エプロン、スリーウエイシリンジの先端チップの交換は当然行うべき事項と考えています。しかしこれらによりコストアップしても患者さんへ転嫁する事は保険治療の取り決めで出来ない事になっており、経費の事を考えるとアタマが痛い問題ですが、自分が受診したい治療体制を実践するには避けて通れない事項では有ります。このDACも三桁万円近い機器なのですが、インフェクションコントロール(感染予防対策)は裏方作業であるために使用しても患者さんの目に映りにくい&使用料を請求出来ないので殆ど自己満足の機器になっている等々、虚しさが漂ってしまうのが哀しいところです(笑

P・S
DACユニバーサルのランニングコスト低減について、こちらへ追記しました。

2012年2月26日日曜日

CTを導入しました

当院の今までのX線診断はパノラマレントゲンとデンタルレントゲンでしたが、2月23日(木)にCTを追加設置しました。

CTとはComputed Tomographyの略で、コンピュータを用いて画像の再構築を行い、断層画像を得る事が出来る撮影装置のことです。パノラマやデンタル等の二次元の平面では無く、立体的な三次元での診断が可能となり、診断の情報量が飛躍的に高まります。また当院のCT装置はコーンビーム方式を用いているので、医科用CTと比べて被曝量が少なく高画質に撮影できることが特徴です。

CTの具体的なメリットとして
  • 三次元の高画質画像を用いる事で今までのパノラマレントゲンでは重なって見えなかった部位が明確になり、また骨量&骨密度も正確に診断できるので、インプラントの術前シュミレーションを高精度に行う事が可能になる
  •  親知らずの抜歯では神経や血管との距離が正確に測れるため、より安全な治療を行う事が出来る
  • 根管の状態が立体的に把握出来るため、マイクロスコープと併用する事で、より精度が高い根管治療を行える
  • 歯周病の状態もVR(ボリュームレンダリング)機能を用いる事で病変を立体的に表現できるので、患者さんに状態を直感的に理解して貰いやすい
等が挙げられます。

今やインプラント治療に於いてCTは無くてはならない機器となっていますが、設置している歯科医院は未だ未だ少なく、私も導入には経済的な勇気が要りました(笑。しかし今まではインプラント治療を施術するにあたりCT撮影を大学病院へ依頼していたのを今後は院内で撮影する事が出来るために患者さんが大学病院まで足を運ぶ労力が無くなった事、また最大のメリットとして院内にCTが設置されていると言う事は手術中でもCT撮影を行える事にもなり、更に安心・安全な治療を提供出来る、と考えています。

他の歯科医院に通院されている患者さんや先生方のCT撮影依頼のみでも対応致します。インプラントの術前診査依頼でステントを用いる場合には患者さん御自身が持参するようにお願いします。データは撮影したその場でCD等のメディアに焼いてお渡し致します。要予約で撮影料(メディア焼き付け料含む)は税別一万円となります。

2012年2月19日日曜日

ICOI Winter Symposium

臨時休診のお知らせでも書いたように、2月16日(木)〜2月18日(土)に米国サンディエゴで行われたICOIのシンポジウムに参加してきました。
演者の素晴らしいスライドのお陰で、英会話が苦手な私にはスピーチが理解出来なくても読めば理解出来る様なスライドが多く、また日頃の疑問を解決してくれた講演も有って収穫が多い学会でした。
また隣の会場では業者がブースを並べていて、日本では売られていない便利な機材を仕入れたり、日本で販売している機材でも円高のお陰で日本の半額以下で購入する事が出来て、こちらでも楽しい時間を過ごす事が出来ました。

今回の学会参加にはもう一つの目的が有り、fellowship(認定医)の授与式に出席して認定証を頂きました。
 授与者約130人のうち日本人は私一人で、回りで英会話が飛び回る中たまたま隣がインドの先生で非ネイティブ同士だったので話が合い、お互いに片言の英語で今までの苦労と健闘を称え合いました。fellowship取得にあたりスライド作りや試験など苦労もありましたがチャレンジして良かったです。但しこの資格は3年毎の更新制で有り、必要な単位を取得しないと資格が抹消されてしまうため、インプラントの知識を深める努力はし続けなければなりません。fellowshipの上にはDiplomateがあり、更にハードルが高いですが今後はこの資格取得を目指して日々の診療をしていきたい、と考えています。

現在現地時間で2月19日(日)午前1時ですが、6時間弱後にはサンディエゴを出発して月曜日午後に成田着予定です。火曜日から通常診療となりますので宜しくお願いします。

2012年2月14日火曜日

臨時休診のお知らせ

2月15日(水)から2月20日(月)まで、

ICOI(アメリカ系国際インプラント学会)

ウインターシンポジウムに参加するため、

臨時休診致します。

20日に米国サンディエゴから帰国し

翌21日から通常診療致しますので、

宜しくお願い致します。

2012年1月29日日曜日

BLSヘルスケアプロバイダーコース

今日、日本口腔外科学会主催のBLS(Basic Life Support 一次救命処置)ヘルスケアプロバイダーコースを受講してきました。今まで一般向けの2〜3時間位のショートプログラムは何度か受けていて、直近では去年の10月02日に市川病院麻酔科主催の一般講習会を受けたのですが、ステップアップしたカリキュラムを受けてみたいと思い、今回は医療従事者向けのコースに参加してみました。

今回は9:00〜17:00と丸一日使ったコースで、成人と幼児・乳児それぞれにおいて救助者が一人の場合と二人の場合の対処法とAEDの使用法、成人・乳児の窒息時の対応等々について座学と実習を行い、最後に実技と筆記試験で評価を受けるシステムでした。今までと違って履修時間が長かったのと4人で1グループと少人数だったので何度も反復練習する時間を取れた事、乳児に対する対応について知識を得る事が出来た事等々、非常に有意義な一日でした。しかし人間は普段使う事が無い手技・知識は忘れてしまうんですね。ですから、これから何度も何度もBLSに接し続けてアタマでは無くカラダが覚える必要を強く感じました。

あなたはもし目の前で大切な人が心肺停止状態になった時に適切な対応を取る事が出来ますか?  BLSを一度も受けた事が無いと言う方は一般向けでも良いので受講される事をお勧めします。あなたの迅速な対応で救えるかも知れない命が有る事を忘れないで下さいね。

P・S
2014年1月にBLSインストラクターへ昇格いたしました。

2012年1月17日火曜日

機材の使用について

今日では医療は色々な機材に囲まれて診療を行っていますが、私は機材に拘る事が好きで自分が考え抜いて納得した物を長く使いたい主義である事は以前のa-decの時にお話ししました。しかし機材そのものを自由診療への誘導の道具として使う気にはなれません。マイクロスコープが良い例で、自由診療にのみ使用している先生もおられますが、私はマイクロは常に使い続けて慣れておかないと自分の身体の延長の様になってくれないと考えます。この様な日頃の訓練が必須な機材においては私は自由診療・保険診療に係わらず自分が使いたいと思えば使用しています。

何百万円の優秀な機材でも人間側に使いこなすスキルが無ければ宝の持ち腐れです。だからこそ使う人間側がスキルアップし続けなければ、より良い診療へ繋がっていかないはずです。機材が治療する訳じゃ有りません。

残念ながら日本の保険診療では使える材料や技術が限られています。しかしだからといって機材や腕の出し惜しみをしているとスキルの上達は止まってしまいます。私は一流の歯科医師では有りません。一流で無いからこそ常に努力をして手技技術を習得し、その技術が錆びないように日頃から反復練習し、また拘って選んだ機材を手足のように使いこなせる様に、と考えています。

マイクロスコープのバーションアップ

1月8日〜9日に横浜でデンタルショーが有り、8日に行って来ました。今回の目的の一つがマイクロのオプションパーツの操作感を実感する事で、今まで要らないっ!と自分に言い聞かせていたのに、触っていたらやっぱり欲しくなってしまい、買ってしまいました(笑)
そして今日ペントロンジャパンの関根さんに来院して頂いて、そのオプションパーツを組み付けました。

装着前の素の状態がこちらで













全て組み込んだ状態がこちらです。
赤丸が付いた部品が追加したパーツになります。













歯の部位によっては微妙に届かない時も有ったので延長アームを装着し













鏡筒本体を傾けても接眼レンズが水平になるアングルローテーション機構を組み込み













アングルローテーション機構を組み込んだせいで鏡筒本体の重量バランスが崩れたので、その状態でもスムーズに鏡筒を動かせるようにバランスアームに取り替えました。













標準品は軸のネジ締め付けによる摩擦で固定しているので、バランスを欠いたオプション装着時に於いて鏡筒の角度を微調整しようとするとカクカクとした動きになりがちです。しかしバランスアームはスプリングの力で重量バランスを調整出来るので、固定ネジの締め付けを最小限にする事で非常に軽く動き、また止まって欲しい所で止まります。いずれ外付けのカメラを装着するつもりですが、その時には左右のバランスも崩れるので、更に優位性が出ると思います。

組み上がった状態で操作すると、思わず顔がニヤけてしまいます(^_^)
明日の診療が楽しみ♪

普段は千円のランチを躊躇するのに、仕事の道具になると衝動的にン十万円を出してしまう自分に笑ってしまいますが、酒は飲めない・タバコも吸わない・ゴルフは出来ない・女も出来ない人間なので、自分が楽しくストレスフリーの診療が出来るなら投資としては悪くないか…と自分に言い聞かせてます(笑)

2012年1月10日火曜日

a-dec(エーデック)のデンタルユニット

災害対策その1その2で述べたように、歯科用ユニット買い換えの際に十数社あるユニットメーカーから私はa-decを選択しました。a-decは日本では先生方にも名前すら知られておらず、日本のシェアは今でも多分2〜3パーセント位だと思います。しかしアメリカでは8割近くをa-decが占めており、また他社もa-decと互換性が無いと売れないほど浸透しています。

私も勧められてその名を知った時にも「何処の三流メーカー?」と聞き返した程でしたが、輸入元のエーデントのショールームへ行った時の感動は今でも鮮明に覚えています。

先ず気に入ったのが寝た時の心地良さ、そしてシンプルな作りによる故障率の低さ、重要な部品はプレスや板材等では無くキャストで製作するなど掛けるべき所にはしっかり費用が掛かっている、そしてインフェクションコントロール(感染予防)の考え方の先進性に惹かれ、カスケードを購入しました。

それから13年経とうとしていますが、ガタガタで辛うじて動いているのでは無く、未だにバリバリ現役です。 流石にシートの革部分が擦れてきたので診療所のリフォームを機に貼り替えましたが、軸のガタ等も感じられません。現在は後継の500シリーズが販売されていますが、カスケードが全く問題無く動いている為に買い換える事をためらっている状態です。(500の実機に触れると欲しくなるんですけどね)
一昨年の診療所リフォームで理想の空間を作る事が出来たのも、ユニットの買い換えを考慮に入れずに済んだ事で他に予算を回せた事が大きいです。エーデントの方にも未だ未だ使えると太鼓判を頂きましたし…。

インフェクションコントロールも国内メーカーの様に抗菌加工の素材を用いた外装では無く、通常の外装で価格を抑えて汚れてきたら交換の考え方、また外観も拭き上げ消毒がしやすい様にスムーズな形状をしており、デザインのためのデザインは有りません。ホース類も拭き上げしやすく、また防菌ビニールチューブを通しやすくするために蛇腹では無くスムーズな形状のホースが使われています。今日では似た様なコンセプトのユニットも見受けられますが、私が購入した頃には他に有りませんでした。

国産メーカーの様に新しい機種を手を替え品を替え毎年の様に発売し、法定耐用年数毎に買い換える事を否定はしません。しかし私は耐用年数が近づいた頃には陳腐化して機能もガタガタになる消耗品扱いより、品質が良く飽きが来ないモノを長く使いたい主義です。以前デンタルショーで、あるメーカーの営業マンに「ウチのサービスマンは全国に500人待機しているのでアフターフォローは完璧ですっ!」と言われ「500人雇うほど故障するんですか?」と聞き返したら黙られてしまった事が有ります。a-decを販売&メンテナンスしているエーデント社の社員は20人以下だったと思いますが、その人数で全国をフォロー出来るほど故障率が低いのです。最初に安く購入出来ても年間維持コストが高ければ数年で逆転します。因みに13年経った現在でも私のa-decの年間維持コストはタービンのベアリング等の消耗品を除けば、毎年末の保守点検費も含めて3万円/台は掛かっておりません。価格も国産中級機種と同程度ですからベラボーに高価では無いと思います。

先生方のユニット買い換えの際の参考になれば幸いです。

歯科診療の災害対策(その2)

その1に続き、今度は診療所の災害対策について述べていきます。

当院では診療所のユニットもa-dec(エーデック)を使用しています。











こちらはイスの上げ下げの為の油圧ポンプやライトを使用するため
電気も併用しますが、PAC-1と同じく主に圧縮空気で制御されています。
この事が災害時に於いては最大のメリットになっており、他社製品の様に
電気をバカ食いしないので、ユニット3台分とコンプレッサー1台の電気を
2kWの発電機2台で賄う事が充分可能です。
水もPAC-1同様、水道水とボトル水の2系統を切り替え可能にしているので
断水にも対応しています。

一昨年の診療所をリフォームした際に災害対応を考えてはいたのですが、
予算的に後回しにした為に後から追加出来る様に対策だけして
数年後に追加工事を行う予定でしたが、まさかリフォームして半年後に
このシステムが必要になるとは夢にも思っていませんでしたから、
某テレビ番組で紹介された時には電気とエアーのホースを診療室内に
引き込んでいました。

しかし現在では工事も完了して、電気のメイン回路とサブ回路をスイッチにて
切り替え、エアーも室外から別経路で供給出来る様に仕様変更していますので
もし停電が起きた場合でも3分ほどで診療復帰が可能になっています。
(発電機の始動と電気&エアー回路の切り替えがそれぞれ手動なので
大病院のように自動切り替えは出来ませんが…)

余談ですが、昨年の計画停電では私の地域は7回停電になりました。
しかし先の停電対策をしていたために通常通りの診療を行っていましたが
患者さんが停電=休診と思った方も多く、開店休業状態になったのも
今となっては懐かしい思い出です。

私は、診療所は患者さんの生命活動をサポートする場であり、災害時に於いても
少なくとも自分が担当している患者さんには対応できる様に予め対策しておく事が
責務と考えています。診療所リフォームで建物の耐震補強を行いましたし、
もし建物が危険な状態になっても何処かでPAC-1を広げて診療を続けられる様に
準備はしています。

2012年1月9日月曜日

歯科診療の災害対策(その1)

2011年11月20日のブログの追記に
「当院は災害対策済みの為、診療所の電気と水が止まっても治療可能になっており、
その他にも発電機用のガソリンとペットボトルの水が有れば、
何処にでも運んで通常時と同じ治療が出来る機材は整っております。」
と書いたところ、詳細を知りたいとのメールを同業の先生から頂いたので
今回はそれにお答えしたいと思います。

先ずは一番目の質問の「何処にでも運んで通常時と同じ治療が出来る機材」ですが
個人的に絶対必要と感じているのが携帯式の歯科用チェアです。














一般のデンタルチェアの様に、ほぼ水平位まで背もたれを倒す事が可能で、
またしっかりとしたヘッドレストが装着されています。幾ら携帯型のエンジンや
タービンを持っていても、患者さんのアタマが固定出来なければ通常と同じ診療は
出来ません。 使用後はこの様に折りたたむ事が可能です。













商品名は親しくお付き合いしている業者さんが探してくれたので
申し訳ありませんが判りません。入手希望の方は御連絡下さい。
===========
株式会社コマツ
埼玉県さいたま市南区白幡4-11-19
048-816-7800
簡易イス
===========
だそうです。

ユニットは米国a-dec(エーデック)社のPAC-1(パックワン)を使っています。

















私はこれを車いすの方が来院した時の治療用ユニットとしても使用するために
購入しましたが、本来は「いつでもどこでもそこが診療室」
(その気になればジャングルの中でも)
がコンセプトで、米軍や自衛隊でも使われています。
a-decは圧縮空気を利用して動くために、コンプレッサーとそれを動かす程度の
電気量を賄う小型の発電機(2kWクラスで充分)が有れば何処でも使用可能です。














また上の画像は後ろ側を撮影した画像ですが、水は左側のボトルを介して供給し、
口腔内の唾液等はエアバキュームにより吸い出され、右側のボトルに溜まる仕組みに
なっているため、通常診療をそのまま再現する事が可能です。

日本の各社でもポータブルユニットは有りますが、これらは訪問診療が目的である事
が多く、災害時に於いて通常診療と同じ体制を取る事は難しいと思います。
逆に言うとPAC-1を訪問診療で使用するには、訪問先で電気をお借り出来たとしても
コンプレッサーが絶対に必要な事とPAC-1が重量的に不利なため、携帯性は国産品
より劣ります。

診療所の災害対策については次のブログに続きます。

2012年1月2日月曜日

マイクロスコープとルーペの違い

以前にマイクロスコープとルーペを使用している事をお話ししました。
マイクロスコープとルーペは拡大して患部を見る機器という意味では
変わりは無いのですが、使用感は違います。














マイクロスコープは
  • ルーペより圧倒的な拡大率で患部を見る事が出来、また拡大率を変化させる事が出来る
  • 背筋を伸ばした姿勢で治療を行う事が出来るので、長時間の診療でも術者の首と腰の負担が軽減出来る
  • 術者が見ている像を静止画や動画で保存する事が出来るので、患者さんへの説明で治療内容を理解して貰いやすい
等の利点が有りますが、欠点として
  • 当院では固定設置しているので、マイクロを使える場所が限られる
  • 鏡筒が固定されているので患部を色々な方向から即座に見る事が出来ない
  • 患者さんが動いた場合にはその都度ピント合わせが必要なので、小児の治療には向かない
が有ります。














ルーペの利点・欠点はその逆になり、利点は
  • 気軽に持ち運びが出来るのでユニット間の移動が可能な事
  • 患部を様々な方向から即座に見る事が出来る事
ですが、欠点としては
  • 私が使用しているレンズがケプラー式なので一般的なガレリアン式より重く、目の前に装着する事による重量的なアンバランス
  • 下を向き続ける事
により長時間の治療では首が疲れる事を感じています。

しかし一般的なルーペでは欠点となる、明瞭な視野確保の問題は
(ユニットに設置しているライトや額部のライトで患部を見ると影が出るので
始終ライトを動かす事になる)
左右のレンズの間に光源を装着した事で、見たい方向と光軸が同軸になり、
マイクロスコープと同じ様に術野に影が出来る事が有りません。
また通常品のルーペにライトをクリップするタイプでは、ルーペを跳ね上げると
ライトも上を向いてしまい、明視野と暗視野を交互に見る事になりますが、
私が使っているルーペはライトが上を向かない(患部を照らし続ける)様に
改良しているので、CR充填の色合わせ等で拡大と肉眼を交互に見比べる時に
目が疲れにくい利点が有ります。
【注:同軸と跳ね上げ機能は個別には市販された物が有りますが
同時機能は個人的に改良を加えたので一般には売っていないと思います】

上記の事から私は根管治療や小さな虫歯、歯髄ギリギリの虫歯治療には
マイクロスコープを用いて
平行性を確認しながら削る事が必要な、ブリッジや被せ物の形成には
ルーペを用いる事が多いです。

では拡大治療に欠点は無いのでしょうか?
実は治療中は患部しか見えていないために患者さんが痛そうな顔をしたり、
軽く手を上げても私には全く見えないんですね。
ですので、拡大治療中に何かアピールしたい事が有った時には
大きく手を上げて貰う必要が有るのです。

余談ですが、私がルーペを使い始めた頃は先生方にも存在を知られて居らず
周りの先生に勧めても「まだ老眼じゃないから肉眼で充分」と言われたり
治療を始める際にルーペを被ると患者さんに「手術でも始まるんですかっ!」
と驚かれた事が何度も有り、懐かしく思い出されます。
これからは拡大治療が一般的になっていくと思います。
私はもう肉眼治療には戻れません。


P.S. これから拡大治療を考えている先生へ
私の正直な感想として2倍、2.5倍の倍率では肉眼と殆ど変わりません。
患者さんにパフォーマンスアピールは出来ても本当の拡大メリットは感じられません。
私がルーペを使い始めた時にガレリアンの2.5倍は購入後半日で慣れてしまい、
数日後に4倍を買い足しました。現在2.5倍は引き出しの奥で眠っており、
私には無駄な投資でした。またルーペにセットするライト(照明)は必需品です。
2.5倍でユニット備え付けの照明では肉眼治療と何ら変わりません。

それ以上の倍率になると被写界深度が浅くなり使い勝手が悪くなったので
それ以上の倍率を望む場合にはマイクロスコープをお勧めします。
またマイクロスコープには視度調整機能があるため、私のようにガチャ目だと
長時間の治療時には目の疲れが違います。

しかしマイクロスコープは
  • 治療中は前を向きながら手元を動かす動作なので、プリズム眼鏡を掛けて治療を行う様なイメージになる事
  • ミラーテクニックが必須である事
から使いこなす為には訓練が必要なために、ヘタをすると
高額な診療室のオブジェと化す可能性があるため、
ルーペから導入して拡大治療に馴染んでいくのも手だと思います。
ルーペは肉眼治療の延長なので導入のハードルは低いですし
今では数万円から入手出来ますから。
私がルーペを買った時は50万円近くしたのに…(; ;)ホロホロ