2012年1月10日火曜日

歯科診療の災害対策(その2)

その1に続き、今度は診療所の災害対策について述べていきます。

当院では診療所のユニットもa-dec(エーデック)を使用しています。











こちらはイスの上げ下げの為の油圧ポンプやライトを使用するため
電気も併用しますが、PAC-1と同じく主に圧縮空気で制御されています。
この事が災害時に於いては最大のメリットになっており、他社製品の様に
電気をバカ食いしないので、ユニット3台分とコンプレッサー1台の電気を
2kWの発電機2台で賄う事が充分可能です。
水もPAC-1同様、水道水とボトル水の2系統を切り替え可能にしているので
断水にも対応しています。

一昨年の診療所をリフォームした際に災害対応を考えてはいたのですが、
予算的に後回しにした為に後から追加出来る様に対策だけして
数年後に追加工事を行う予定でしたが、まさかリフォームして半年後に
このシステムが必要になるとは夢にも思っていませんでしたから、
某テレビ番組で紹介された時には電気とエアーのホースを診療室内に
引き込んでいました。

しかし現在では工事も完了して、電気のメイン回路とサブ回路をスイッチにて
切り替え、エアーも室外から別経路で供給出来る様に仕様変更していますので
もし停電が起きた場合でも3分ほどで診療復帰が可能になっています。
(発電機の始動と電気&エアー回路の切り替えがそれぞれ手動なので
大病院のように自動切り替えは出来ませんが…)

余談ですが、昨年の計画停電では私の地域は7回停電になりました。
しかし先の停電対策をしていたために通常通りの診療を行っていましたが
患者さんが停電=休診と思った方も多く、開店休業状態になったのも
今となっては懐かしい思い出です。

私は、診療所は患者さんの生命活動をサポートする場であり、災害時に於いても
少なくとも自分が担当している患者さんには対応できる様に予め対策しておく事が
責務と考えています。診療所リフォームで建物の耐震補強を行いましたし、
もし建物が危険な状態になっても何処かでPAC-1を広げて診療を続けられる様に
準備はしています。