2012年3月23日金曜日

純水精製装置(DACのランニングコスト)

今では有ったら便利な機器を通り越して、無いと困る機器となったDACユニバーサルですが、使用する水が3μS/cm以上の純水を要求する為にランニングコストが以外と掛かる事がデメリットです。当初は浄水&軟水装置を設置してあるので蛇口の水がそのまま使えるかも?と思っていましたが、購入前に販売元が持って来たデモ機でテストすると水質不良でエラーになってしまった為に、DACを設置してからは精製水を購入していました。3μS/cmと言ったら工業用部品の洗浄に使われるくらいの純水なので、正直たかが滅菌器でこんな水質を要求するのか!と驚きましたが、DACが毎回電気伝導率をチェックしている為に精製水を使用しないとエラーコードが出て作動しません。

しかし精製水の購入コストが20リットルで約2000円と結構なお値段で、それを当院では1ヶ月に40リットル以上消費するので年間コストが単純計算で約5万円。これはDACの為だけに使用する水のランニングコストで、全館浄水&軟水システムのランニングコストよりも高く、これを使い続けるのはおサイフに厳しい…。販売元でもこれを解消するためにシロデム(SIRODEM)という脱塩水精製装置が販売されており、メーカーの謳い文句は『精製水の購入と比較し最大で約80%のコスト節減が可能』との事。しかしシロナさんには申し訳無いのですが、シロデム購入時のイニシャルコストと、425リットルの水道水を精製する毎に交換するフィルターのコストが私には未だ高価に感じており、もっとイニシャル&ランニングコストを下げられないか?と考え、浄水器&軟水器の販売&メンテで御世話になっている千葉県市原市のアクアフィールド石出裕一郎さんに協力して頂く事になりました。

当初は逆浸透膜を用いたRO精製装置を設置予定でしたが、これで精製した水でもDACにエラーが出てしまうため、シロデムと同じ原理のイオン交換樹脂を用いた方法へ変更しました。既に当院では軟水化装置を使用していたのでカルシウムイオン・マグネシウムイオンは除去出来ているのですが代わりにナトリウムイオンが出てくる為、これを除去するタイプのイオン交換樹脂に塩素を完全に取り除くフィルターを噛ませて精製した水でテストすると、やっと正常にDACが動きました。石出さんもRO精製装置でエラーが出た事でアタマを抱えた様ですが、数あるイオン交換樹脂の中からどのタイプの樹脂が今回要求する水に精製できるのか?等々を色々と調べてくれたお陰で、かなりイニシャルコストとランニングコストを下げる事に成功しました。

装置もシンク下に設置した事で外見的にゴチャゴチャする事無くスマートに設置できて大満足でした。後はどれ位の水量を精製できるのか?ですが、今回は樹脂を2Lとそれなりの量を使用したので数百リットルで樹脂交換とはならない筈との事でした。

DACユニバーサルを既に使用している先生やこれから導入する先生でランニングコスト低減を考えているなら、アクアフィールドさんへ相談されたら如何でしょうか? 私が実験台になったので(笑、回り道せずに良い提案をしてくれると思います。