前日はバイクを堪能したので(笑、 3日目から本来の研修スタートです。
今回のセミナーはイボクラールビバデント社が推奨しているBPS(Biofunctional Prosthetic System)という古くて新しい入れ歯製作のシステムを学ぶ事が目的です。正直な話、今まで入れ歯治療は完成した入れ歯を患者さんに装着した際に上手くいった・イマイチだった時の根拠が私の中で弱かったんですね。同じように製作しても、ある患者さんは満足して貰えた、でも他の患者さんには「前に作って貰った方が良かったね」と言われてしまった事は多々有り、経験に基づいて作っているので再現性が乏しかったのを何とかしたい、との思いからです。
実はBPSセミナーは日本でも受講できるのですが、今回のセミナーの企画話が出た時に真っ先に手を上げたのは
- 本社のトレーニングセンターで直属インストラクターから直接学ぶ事により、色々な人が介在する間に伝言ゲームの様にオリジンから離れてしまう可能性が避けられる。(以前接着についてのセミナーを受講した後に、その接着剤の開発に携わった先生とお話しする機会が有り、オリジナルでは必修の項目が推奨レベルに変化していて、またその逆も有ったりと言う事が過去に有ったので、それ以降はなるべくオリジンから話を聞く事にしています)
- あえてドクター6人の限定で受講する事で、座学だけで無く実際に体験する実習が充実している。
- セミナー後の夕食等にもインストが来てくれる事で、講師・受講生の関係だけじゃない人間同士のお付き合いが出来る。
- ヨーロッパでバイクに乗りたい(笑
今回は歯科医師のDr.Frank Zimmerlingと歯科技工士のMr.Mattheus Boxhoomのお二人から教えを請う事となりました。1日目の午前中はBPSの概念・システムについてと印象・咬合採得、フェイスボウ等々の各論についてのレクチャーを受け、
午後からはボランティアの患者さんに御協力を頂き、先ずはインストのDr.Frankがデモを行い、次に我々が実際に手を動かして診療を行うハンズオンを行う流れでした。6人のドクターで受講と言う事も有り、全員が手を動かして時間が余れば再度行って理解を深めておりました。
2日目は朝からハンズオンとなり、前日の続きの工程についてハンズオンを行い
また人工歯排列等々の技工操作についてのレクチャーをMr.Mattheus Boxhoomから学びました。この部分は実際には歯科技工士の領域になりますが、今回同行した松井さんが熱心に聞いていました。特に今まで大学等で学んだフルバランスオクルージョンでも無く犬歯誘導でも無い初めて聞いたセミバランスオクルージョンという咬合様式と、下顎人工歯排列が中切歯からでは無く犬歯から行う事が新鮮でしたね。
##ティーブレイクの時に研修センターから撮影した風景
素晴らしい環境の中に会社&工場が有るのが判ります。
二日間に及んだセミナーもインストのお二人をお招きした夕食会で修了証を頂いて、無事終了となりました。
因みにこのレストランはオーストリアのFildkirchという町にあるお城の中のレストランで、今回はスイス・リヒテンシュタイン・オーストリアの3カ国を訪問しました。といっても国境を越えた意識は薄いんですけどね。
普段インプラントや歯周病等のスタディグループに長年参加しておりますが、入れ歯について特にタイトなスケジュールで二日間に及んだ講習会は初めてだったので正直凄く疲れてしまい、ホテルの部屋に戻ってから1分後には意識が飛んでました(笑
最後に今回のセミナー受講にあたり、講師の先生は勿論ですが、通訳や身の回りの御世話をしてくれたkumikoさん・イボクラールビバデント・ジャパンの長澤富士子さん、受講の機会を与えてくれたタカギ先生、気心知れた仲間の先生達、その他関係した全ての方に感謝致します。