2017年7月25日火曜日

ポストグラデュエートコースのお手伝い

7月23日(日)に母校の日本歯科大学校友会主催で行われた放射線学・矯正学・歯周病学・解剖学4講座共同開催のポストグラデュエート(卒後研修)コースに解剖学実習担当としてお手伝いしてきました。


コースは土曜日午後と日曜日丸一日の1日半ですが、私は実習担当なので日曜日のみの参加でした。

日本歯科大学校友会では解剖学の卒後研修コースを色々と内容を変えながら開催しています。大学を一旦卒業してしまうと人体解剖学を再履修するチャンスというのはなかなか無いなか、校友会と解剖学教室では門戸を広げて参加出来るようにしています。立体的な構造の中身を教科書やレントゲンの2次元の情報で捉える難しさや、今ではCTも普及して3次元で捉えやすいなったとは言え血管や神経などの軟組織はレントゲンでは捉えられない等々、実際に見るとは理解度は違うと思います。日歯大ポスグラコースでは他大学卒業の方でも参加可能ですので、臨床を経験して疑問が出てきた先生ほど有意義な一日になると思います。学生の頃の様に実習中の口頭試問も無いですから(笑、ハードルは低いのでは無いでしょうか? 

但し日本の法律では解剖は教育と研究でのみ御遺体を使った実習が認められておりますので、御遺体にインプラントを埋入したり歯周病手術の練習をしたりする事は出来ませんので、その点は御理解下さい。

一般の方々には「歯科大学なのに解剖実習?」と思われますが、基礎医学は医学部・歯学部共通ですので、歯学部でも頭から爪先まで一年掛けて実習します。当然実習は初めと終わりに一礼と黙祷が有り、事有る毎に学生には善意の方々による好意が有って始めて成り立つ実習で有る事を話し、礼を失した行動は慎むように指導しています。

私も解剖学の大学院を卒業してから22年経ち、卒後暫くしてから現教授の佐藤巌先生にはお声を掛けて頂いて非常勤講師として教室に自由に出入りさせて頂き、また解剖実習を毎年お手伝いさせて頂いて大変感謝しております。生体では絶対に見る事が出来ない方向から観察したりして知識を深めたり出来るのは有りがたい事です。未だに新たな知識の発見は有りますからね。学生達には実習中に臨床を絡めた話をしながら実習を進めると興味を持ってくれたり…と、これからも常勤教室員とは違った基礎医学と臨床を結んで理解してもらえる様な臨床話が出来れば良いな、と思ってます。