2013年1月10日木曜日

歯科技工というお仕事

当院では現在4社の歯科技工所へ技工物製作を依頼していますが、その内の一つの、(株)セラマインドウエスト代表の小野健一さんが「千葉の社長TV」というウエブ番組で紹介されました。
http://chiba-president.net/ceramindwest
今や当院の診療システムにはセラマインドは必要不可欠になっています。

ここの担当技工士さんは治療に必ず立ち会い、患者さんの口の中を自らの目で確認して写真撮影を行い、患者さんと話をして要望を直接聞きいてから製作物に反映させるシステムをとっており、その為にわざわざ木更津市からクルマで来院して頂いています。

これは仕事の効率という面からは非常に非効率的です。何故なら移動時間中は技工士さんの本来の仕事である補綴物製作の手を止める事になるからです。 現代では「効率化」の名の元に、それなりのモノを安く提供する事が多くなっていますが、手間を惜しまずに最良の診療をしたいという私の治療理念を追求するには、今お付き合いしている技工士さんの腕が必要なんです。また歯型を採取する時間や被せ物を接着するためだけの治療にそれぞれ30分〜1時間の時間を掛けるのは、患者さん不在の効率化追求の歯科医院では考えられないでしょうね。

そして他の技工所からも、最良の補綴物を作れない印象採得になっていた場合には何度でもやり直しの電話が掛かってきます。これは新しい技工所と新規の取引を始める際に私がいつも御願いしている事です。ドクター側にしてみれば患者さんに頭を下げて再度来院して頂き、時間が余計にとられる事を考えると、「そのまま作ってよ!」と言いたくなりますが、技工士さんの担当箇所には厳しいが自分の担当箇所には甘い、では最良のモノは製作できません。私と技工士さんとは常に真剣勝負をしています。

これらは私のホームページでも書いた内容ですが、これは簡単な様で難しいんですね。なぜなら仕事を出す側、貰う側の一方通行の関係になっている歯科医院・歯科技工所が未だに多いんです。今日では技工士さんの早期離職率が問題になっています。低賃金・重労働が原因です。これでは若くて腕が立つ技工士さんは育ちません。技工士さんの労働環境改善を歯科医師サイドが真剣に考えないといけないと私は思ってるんですが、まぁ技工士さんが日本から居なくなれば海外技工があると考えている先生にはどうでもいい事なんでしょうけど、その時の日本の歯科医療はどうなっているんでしょうかね?