こんにちは。院長の佐藤です。
全国的に1月下旬から2月上旬にかけて、
寒さはピークを迎えます。
2月はまだまだ冬の様相が続きますが、
暦の上では『立春』を迎え、
春が始まる月でもあるのです。
そのため、立春の前日を
季節の分かれ目(節目)として、
『節分』といいます。
そんな節分に縁起をかついで
食される恵方巻ですが、
切り分けたり、食べている途中で
中断したりしてしまうと
「縁起が良くない」とされています。
「縁切り」を連想し
「幸福を逃してしまう」
と考えられているのが理由のようです。
ちなみに、
『中断』が不幸を招くのは、
『歯の治療』も同じ。
そこで今回は、
『治療の中断』がもたらす『リスク』について
ご紹介させていただきたいと思います。
■「仮歯で中断」は『むし歯再発』のリスク
歯の治療では、治療箇所を保護する目的や、
見た目の違和感をなくすために
『仮歯』を製作することがあります。
仮歯を入れた際に
「痛くなくなって
見た目も整ったし大丈夫か」
と、そのまま治療を
中断してしまう方もいらっしゃいますが、
仮歯というのは
「一時的な使用」を目的としているため
耐久性が低く、そのまま使い続けると
摩耗してしまいます。
しかも、すぐに取り外せるように
使用する歯科用接着剤も
弱いものが使われています。
このように、
仮歯は非常にもろい材質で作られているため、
放置すると隙間ができてしまい、
せっかく治療した箇所に再び細菌が入り込み
むし歯が再発してしまうことも。
そうなってしまっては、
いざ治療を再開しようとしても
「続きから」というわけにはいきません。
本来であれば小さく削るだけで済んだ箇所も、
大きく削り直したり、
つめものを作り直したり、
状態が悪ければ、
神経をとり除かなくてはならない場合もあります。
■「歯の根の治療を中断」すると『抜歯』に?!
むし歯が進行して
神経(歯の根)まで達してしまうと、
歯を削るだけではなく、
神経をとり除く治療が必要になります。
そして、神経が入っていた
「根管(こんかん)」と呼ばれる部分には
細菌がまだ残っているため、
根管内を綺麗に掃除し、
薬を詰めやすくするために
形を整えたりする必要があるのです。
これを「根管治療」といいますが、
もし根管内に細菌を取り残してしまうと、
確実に病気の原因となってしまうため、
複数回に渡りしっかりと
細菌を取り除いていきます。
ところが神経をとると、
その部分に関しては
痛みを感じることが無くなることから、
自己判断で治療を中断されてしまう方が
いらっしゃいます。
当然、治療の途中では
まだ根管内に細菌が残っているため、
そのまま放置すれば
確実に再感染の原因になります。
しかも、症状が進むと
抜歯が必要になってしまう可能性が非常に高く、
せっかく残せたはずの歯も失うことになります。
神経の治療を開始したら、
決して中断せずに最後まで通院をお願いいたします。
■「歯周病治療」で『取り除いているのは細菌』
歯周病とは、
細菌が「歯ぐきの腫れ」や
「出血」を引き起こし、
最終的に歯を支える骨を溶かして、
歯が抜けてしまう病気。
その原因のひとつが『歯石』です。
歯石とは、歯垢(プラーク)が
だ液中のカルシウムやリンと結びついて
石のように固まってしまった
『細菌の要塞』のようなもの。
細菌のかたまりである歯石を放置すれば、
当然ながら歯周病は悪化してしまいます。
ただのお掃除に見える歯石取りですが、
歯を少しでも長く大切に使うために
とても重要な治療なので、
最後まで治療を続けましょう。
どんな治療も、私たちが
「これで治療は終わりです」
とお伝えするまで、
必ず通院を続けてください。
中断してしまうと、
「気まずくて通いづらい…」
と感じてしまう方もいらっしゃいますが、
私たち歯科医は、
皆さんの歯を治療して
豊かな人生を送っていただくことが
何よりの望みです。
治療の経過で気になることがあれば、
皆さんの不安を取り除けるよう
しっかりとお答えさせていただきますので、
いつでもお気兼ねなくお声がけくださいね。
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佐藤歯科